ブルートパーズ
トパーズは私の誕生石です。
小学生くらいの頃、友達同士で誕生石の話になりました。
四月生まれの子はダイヤモンド、七月生まれはルビーなど華やかでキラキラした宝石の子に比べ、十一月生まれの私はトパーズ。
当時、トパーズといえば黄色の地味な石というイメージしか持っていなかったため、心底ガッカリしました。
高校生くらいになった頃、トパーズにもブルートパーズという種類があり、透き通った華やかなブルーがあると分かり、嬉しかったです。
いつかこの誕生石のブルートパーズを身に着けられたらと思っていました。
高校最後の冬、12月半ば頃に私の実家は全焼しました。
原因は壁の中で漏電し、出火。古い家屋だったので火の回りが早かったそうです。
幸い、家には誰もいなく怪我人も出ることはなかったですが、それから数年経ち私が成人してから母の口から衝撃発言が・・・。
私の高校最後の年に母は宝石店で誕生石である、ブルートパーズのネックレスとイヤリングのセットを購入していました。
20万円程したそうで、私が成人したら贈る予定でタンスにしまっていたと。
ということは、綺麗さっぱり燃えてしまったんですね。
母が言わなければ知ることのなかったブルートパーズの存在。
燃えなければ身につけられたはずのブルートパーズ。
ものすごく後ろ髪が引かれた感じでした。
母的にはお祝いを何も用意していなかったわけではないと、伝えたかったようですが正直、聞きたくなかった。
贈り物を期待していたわけではなかったんですけど、この何とも言えない気持ち。
モヤモヤした気持ちを片隅に、母の誕生日(11月)に少し貯めたお給料でブルートパーズのネックレスを贈りました。
燃えてしまったものは仕方ないので、自分のはいつかにしてプレゼントを用意してくれた感謝の気持ちを込めて。
すごく喜んでくれて出かけるときはいつも身につけてくれています。
そして結局、いまだに自分の誕生石は一度も持っていないじまいです。